多くの財団法人は利益に対して税金を払っていません。
正確には、利益が出ても税金の対象としないこととされています。
一般財団法人の利益は税金の対象から除かれている
利益に対する主な税金は
- 法人税(税務署)
- 法人事業税/法人住民税(地方税)
です。
株式会社は利益が出れば当然にこれらの税金を払います。
一方一般財団法人は利益が出ても税金を払いません。
これは、一般財団法人は、通常利益を追求しない事業を行うことが想定されているため、もしたまたま利益を稼いだとしても税金を払わなくてもいいよ、と配慮されているためです。
奨学金事業を行う一般財団法人のお金の流れ
奨学金事業を行う場合を例にとります。
お金の流れを
- 奨学金の原資となる資金1000万円を支援者からもらう
- 毎年200万円を奨学金として支給する
と仮定します。
各年の損益はこうなります。
初年度:800万円利益
2年目:-200万円損失
3年目:-200万円損失
4年目:-200万円損失
5年目:-200万円損失
合計:0万円
税金がかからない場合は、もらったお金1000万円全額を奨学金に充てることができます。
上記の例で利益が税金の対象となる場合
上記の例で、税金がかかる場合は、
初年度の利益800万円に税金がかかります。
仮に税率が20%と仮定すると、160万円の税金を納めます。
そうすると、もらった1000万円のうち、840万円しか奨学金に使えません。
せっかく学費に困っている学生を助けようとしているのに、活動資金を有効につかえません。
こういったことにならないために、一般財団法人が稼いだ利益は税金の対象から除かれています。
全ての一般財団法人が税金の対象外となっているわけではない
ただし、全ての一般財団法人が税金の対象外となっているわけではありません。
税金の対象外となるにはその運営がしっかりしていることが求められます。
主な要件は、
- 理事に占める親族の割合が1/3以下
- 法人関係者に不当に利益を与えない(働いていないのに役員報酬を払わない) 等
です。
この要件に該当するのであれば利益に対する税金がかかりません。この法人を非営利型といいます。
この要件に該当しないのであれば利益に対する税金がかかります。この法人を普通型といいます。
非営利型でも税金を払うケースがある
「非営利型」であっても一定の事業を行っている場合は、一定の事業の利益については税金を払う必要があります。
一定の事業は、不動産賃貸業等の事業で、34業種が指定されています。
これは一般財団法人は利益を追求しないことが見込まれる法人だけれども、実施できる事業に制限がありません。
そのため、株式会社等他の会社でもおこなっているような典型的な事業を行っていて、そこに税金がかからない場合には、不公平が生じます。
そのため、他の法人格でも行っている典型的な34の事業からの利益は税金を払ってください、ということになっています。
例えば、奨学金事業はこの34業種に該当しないので税金がかかりません。
例えば、診療所を経営している場合には、診療所が34業種に該当するので、診療所事業で得た利益には税金がかかります。
【あとがき】
確定申告書を5件e-taxで送信しました。
【あたらしいこと】
IQOSのワイヤレス充電