仮想通貨を個人で投資するか法人で投資するかの大きな違いは時価評価損益に課税されるか否かです。
時価評価損益への課税
他にも違いがありますが、僕はこの時価評価課税の有無が大きな違いだと思ってます。
個人 時価評価損益へ課税なし
法人 時価評価損益へ課税あり
時価評価損益に課税するということは、換金していなくても評価益があれば評価益に課税される、評価損がある場合には評価損を所得のマイナスにできる、ということです。
ちなみに法人が時価評価課税となっているのは会計基準に合わせてのことです。
実務対応報告第38号「資金決済法における仮想通貨の会計処理等に関する当面の取扱い」
時価課税は恐ろしい
期末に急に値上がりして、翌期に急に値下がりしてしまうと、一瞬値上がりしただけで税額が跳ね上がり、納税資金のために売却しても値下がりでたいしたお金にならずに納税資金に窮するということが起こりかねません。
時価評価への課税というのはなかなか厳しいものです。
これは評価損があると所得を減らせるということとセットですが、評価益があると上記のようなことが起こるということ自体が資金繰りに悪影響で場合によっては資金ショートもありうるので(仮想通貨のボラティリティは半端ではありません)、こんな危険を冒すのはオススメできません。
個人の場合は、換金等しない限りは課税されませんので、上記の心配はありません。
仮想通貨は個人で投資がオススメ
法人で投資すると急な値上がりであらぬ課税が生じる恐れ、納税資金不足の恐れがあるので、仮想通貨は個人で投資がオススメです。
時価評価課税開始時期
強制適用は平成31年4月1日以後開始事業年度からです。それ以前開始事業年度は会計上評価損益を計上している場合のみスタートです。
参考 平成31年度税制改正大綱
(2)法人税における仮想通貨の評価方法等について、次のとおり時価法を導入す る等の措置を講ずる。
1 法人が事業年度末に有する仮想通貨のうち、活発な市場が存在する仮想通貨については、時価評価により評価損益を計上する。
(略)
(注)上記の改正は、平成 31 年4月1日以後に終了する事業年度分の法人税について適用する。なお、同日前に開始し、かつ、同日以後に終了する事業年度については、会計上仮想通貨につき時価評価していない場合には、上記1及び4を適用しないことができる経過措置を講ずる。